Rep Journal, October 2002

Issued Sep, 02

今アメリカが揺れている。 イラクに向けての戦争をアメリカから先制攻撃するか、それともテロ攻撃を受けるまで待つかでだ。

ブッシュ大統領、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防省長官は、イラクのフセイン体制を武力によって転覆させ、国際社会を安定させる、と意気込んでいる。アメリカ以外の先進国及び文明国はこれに強く反対している。アメリカ内でもかなり意見が割れている状態で、米国務長官は、イラクの国連による核・化学兵器査察をまず受け入れ、その後に対応を国際社会と協議すると言っている。 政権内部でも意見が割れている状態で、パウエル国務長官は今期のみで、国務長官の座から辞任すると表明したため、まさにアメリカ中が政府だけでなく不協和音だらけだ。

意見の割れるブッシュ政権。大統領・副大統領対国務長官との確執がはっきりしてきた。

そもそも本当にイラクを攻撃する必要があるのだろうか? 政府側が見解している攻撃への正当化は、イラクが核及び化学兵器を所有若しくは開発中で、それらが完成・所有されると、アメリカおよび同盟国へのテロ攻撃に使われるので、事前に可能性のある所はすべて叩いておきたい、そしてその攻撃には国際社会の同意・理解はいらない、としている。 しかしながら国務長官は、イラクが国連の査察を受け入れ国際社会の同意・理解を得た上で必要があればイラクの怪しい施設を攻撃するという、筋が通っている方法論を展開している。 大統領側は近日中にイラクが大量破壊兵器を所持している証拠を議会に提出するという。しかし今の段階ではイラクがこれらの兵器を所有しているはっきりした証拠はない。大統領はイラクがこれらの兵器を隠し持っているとして、早く叩かなければこっちがやられるとしている。

時間だけは経つものの、攻撃する、同意を待つ、攻撃しない、どれをとっても根本的な解決は無い。いずれにしてもいつかはまたアメリカ及び同盟国はテロの被害を受けることになるだろう。最近のCNNのリサーチで、8割以上のアメリカ人がまたアメリカはテロの攻撃を受けるだろうと予想していることでも、先進国の大部分の人は、またあるだろう簡単に予想がついてしまう。 仮に攻撃の同意を得るとしても、イラクが徹底して隠すのはわかりきっている。もし発見できなければ、国連による経済制裁を解かなければならない可能性も出てくる。そしてその後にこっちが攻撃を受ける可能性が出てくる。 もちろん攻撃しなければそのうち確実に攻撃を受けるだろう。 もし同意を得ないまま攻撃すれば、中東はますます混乱を極め、これまた確実にテロを起こすきっかけになってしまう、という行くにも行かぬにも地獄を見るという構造だ。

どっちが先に来るかは判らないが、今回の攻撃と最近の景気もはっきり関連しているようだ。攻撃が無ければ景気・株価はどんどん低迷をしそうだし、低迷し、対策がほとんどの先進国で見つからない今、攻撃によって特需を造りたいと思うのはブッシュ大統領だけではなさそうだ。つまりブッシュ大統領が攻撃をしたい理由はテロだけでなく、景気もこのままでは悪化する一方なので何かに国民の目を向けさせ、特需によって景気回復そして当面のテロの脅威を排除しようというものなのだろう。

あからさまに反対するドイツ・フランス、アメリカと共にするイギリス、はっきりしない日本。先進国でも意見はバラバラ。今回の攻撃での国際社会でのPlayerは、米英、独仏、露中、日、アラブ、イスラエルで、日本、中国以外は第2次大戦後から中東関係に直接に関与してきた国だ。日本は経済力の影響でこの中東関係に巻き込まれた形だ。もうこれ以上アメリカに付き合っていくわけにはいかない独仏。

仮に攻撃があるとして、そのパターンは、1)米軍のみ 2)米英軍のみ 3)米英軍プラス日本、ドイツ、フランスなどを中心とした資金プラス後方部隊派遣 4)湾岸戦争時のような国際多国籍軍の派遣 が考えられる。今回はまず(4)はないだろう。一番可能性が高いのが(3)で、恐らくこれが一番現実味がありそう。しかし日本以外の国では自国におけるアラブ系の移民が多数存在するため、自国でのテロを抱える事にもなりそうだ。

エジプト・ムバラク大統領は”絶対反対”を表明。 ブッシュ大統領は中米サウジアラビア大使を自宅に招いて説得。 クリントン元大統領の本音は”自分の時じゃなくって良かった”

これらテロ一連の事態は話し合いだけではいくら話しても解決はしない。欧米列国が戦中・戦後自分らで作ってしまった問題なのだ。 そもそも米英がイスラエルの建国をパレスチナに勝手にしたためこの地にもともと住むパレスチナ人は行き場がなくなってしまった。その後近隣諸国との血と血を洗う戦いの後、現状の形ができた。イスラエルと一番先に国交を樹立したのはドイツで、冷戦中は中東諸国が欧米日からは原油と引き換えに外貨と兵器を、ソ連からは原油と引き換えに兵器を輸入してきた。それぞれの利権が入り組んだ地域で、実際よく言われる宗教による争いとはあまり関係がない。今回のテロも見かけは”聖戦”だの”ジハード”だのいろいろ言われているが、結局は中東の”油”と”覇権”をめぐる利権がらみの争いだ。 もしアラブ諸国が戦後に中東に築いた利権を先進国とりわけ欧米列国はすべて撤収せよ、といったら間違いなく戦争になるだろう。まさに日本がハルノートを突きつけられ戦争に至った太平洋・中国の利権をめぐる争いと構造は同じ。東京裁判で、当時の日本の指導者達は様々な言いがかりを付けられ処刑されていった。その一つが”戦争を始めた罪” おいおい、それじゃお前ら今やっている事は国際法違反じゃないのか?(国際法では戦争は外交手段の一環として合法) つまりこの世界において”公平な善”などは存在はしなく、常に最強の覇権国家によって"善ー悪”が決められるのだ。

イスラエルが今回の緊張を影で操っている?欧米をどうしてもイスラエルとアラブの戦いに巻き込みたいシャロン首相

結局犠牲・責任を押し付けられるのはどこの国でも末端の人たちだ。

長い歴史の中から見れば今回の出来事は歴史の年表のなかで数行にしかならない出来事だろう。第2次大戦で全世界で1億人以上が戦死・負傷したが年表でみれば数行で終わってしまう。しかし数千万という死者をだしたという事実は変わらない。変わるのは人間の記憶だ。結局人間は何千万死のうが覇権を求めるし利権を求める。ある学者が言っていたが、人間というのは一定数の人間が死なないと自分のやっている事がわからない、一定数の人間が死なないと自分の存在をきずかない、という。 なんと愚かな生き物なのだろう。結局人間は小さな小さな地球という土地のなかで勢力争いをしているだけの、小さな生き物なのだ。

自分の意思には関係なく戦争の準備が進められていく...

おわり

 

日朝首脳会談も直前、いったいこの人は何を考えているのだろう...でも元気そうです。

 

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