Rep Journal MAR 2002

Issued Mar 2002

久しぶりに色々と書きたくなった、その訳は単に暇が出来たわけではなく、たまたまWALMARTが西友をその 傘下に収めるというニュースをCNN Web News で知ったうえ、先日K-MARTが倒産、また昨日K-MARTで洗剤を買ったら、底に小さな穴が空いていて知らずに家に帰ったらその洗剤が入っているビニール袋にも穴があいていて家中に洗剤をばら撒いた形になってしまった、こんなだから潰れるんだと怒りをK-MARTにぶつけつつ思った瞬間じゃちょっと流通業界について少し考えてみようと思ったのがきっかけ。

 それにこの流通業界、米国だけでなく日本においても景気の動向を大きく握る部分なので、ますますリサーチのしがいはありそうだ。まずその破産したK-MARTとWALMARTを比較、そして日本の流通業界に話を移していく事 にしましょう。当然この比較はかなり公平にやったつもりだが、感情的なところや偏見も少し入っているが半分洗剤を無駄にしたんだから大目にみてください。

 K-MARTは2002年1月に米連邦破産法の適用を申請して、かねてから経営再建中だったのを諦め、事実上の倒産という事になった。

 またWALMARTは9月11日の航空機を使用した全米テロ以降、売上高を下げるどころか近年で一番の売上高を 上げることに成功、この売上高はGMやGE(75%以上)を大きく上回るという快挙を成し遂げた。

 同じ流通小売業のK-MARTとWALMARTではどうしてこんな雲泥の差がつくようになったのか?  自分なりに考えて次の要素から両者の間に大きな差が生まれたのだろう。

     

1) 商品管理:K-MARTはまず雑の一言だ。洗剤の箱に穴が空いていたのはまだいい方で、歯磨き粉などは 潰れて中味が出ていたり、ヘアダイキット等中味が子供達のいたずらによって中味が入れ替えられ、写真とは違った色に髪が染まってしまう。缶詰は中身は出ていないものの潰れていたり、ラベルが剥がされて中身が分からないものや、商品の袋がねずみがかじったような穴が空いているなど、非常に管理が行き届いていない髪を黒く染めようと思ってもし赤くなったらたまったもんじゃない 。

 

どれがどれだかわからない!

これはひとえに従業員が商品の構成や配置などを一切しないシステムになっているからだ。

   それぞれの商品は、例えばデルモンテの商品(缶詰、ジュース) だけをストアに配達しドライバーがそれらの商品をトラックから下ろしてストアーの棚まで運び、直接棚に並べる、一見KーMARTの人件費を圧縮できそうなシステムだが、ストアー従業員が販売状況や在庫状況、更に何処にどの品物があるかなど小売業の基本を把握することが無くなったうえ、他の業者が他社の商品を納品時にわざとダメージを付けて行くなどと、いろ いろな内部調査で分かってきた。 

   WALMARTはこの点、地区配送センターまでが製造業者でそこからはWALマートのトラックが各ストアーに配達して行く、まず地区センターで大まかな商品の検品が行われる為商品のダメージが大幅に減り、ストアーの損失が大きく減ったという、このシステムは一見、人件費が大きくかかりそうだが検品、返品作業は機械化できない上、ストアーでの返品の起こる率が大幅に減った分、経営には全く影響が無いらしい。

 2) 従業員の気質:アメリカの小売り業界では社員の比率は少なく、ほとんどがパートタイマー。

この点ではKマートもWALマートも何も変わらないのだが、前項で述べたようにkマートでは従業員の仕事の大半がレジなどの業務に集中している為、商品の知識が乏しく忙しい上にストレスが溜まりやすく働き甲斐がないと訴えている従業員がたくさんいた。ストアーにおいては従業員は全員セールスマンです、それが自分で売っている商品の知識が無いようでは顧客は満足しないはず 。対してWALマートは米国においてもかなり特色の強い経営をしていて、それは外国生まれの移民アメリカ人障害者、高齢者を積極的に受け入れていることだ。 これにはメリットが幾つかある。一つは米国では大企業のコミュニティーに対する貢献  2、人件費の圧縮 3、彼ら従業員の会社及びスト アーに対しての忠誠心。  米国では大企業、それも上場企業になると本社、支社、ストアーの立地している自治体に対し何らかのコミュニティーサービスを要求される(立法化している自治体もある) つまりストアーのある自治体に対し図書館を整備したり、社員が全員で高速道路のごみ掃除をしたりと様々な形でおこなわれている。移民者、障害者及び高齢者を積極的に採用している為、自治体及び連邦政府から税金面で恩恵を受ける事が出来る、彼らはアメリカでも就職口がなかなか見つからないのが現状で、政府では彼らを積極的に採用しているWALマートは優良企業として立地計画など様々な面で融通をきかしている。また彼らを採用する事により会社、ストアーに対する忠誠心が強くなり、ストアーに対し『自分達のストアー』といった意識が芽生え、それは彼らの商品に対する扱い方、客に対する態度など様々な形で表れてきている。

 3) ストアの立地条件:Kマートは古い住宅地に立っている場合が多く、実はこれも直接売上に結びつかないという事が多い、 古い住宅地では個人の消費が高くない高齢者も多いため商品がなかなか売れない 。このような立地条件にあるストアは結局スラム化してしまい、壁には落書き、ギャングが蔓延るストアになってしまい、悪循環となって更に来店者が減る現象が起きている。それに比べてWALマートは新興住宅地に立っている、新興住宅地は家族構成が若く、家にもまだまだ必要な物が多いため、黙っていても売れるの だ。新興住宅を抱える自治体では、人口、税収入を早く増やしたいため、この様なストアが出店することに何かと積極的。   

     

活気がないKマート・またストアーもすぐ古いとわかる・WALMARTは活気いっぱいだ

4)在庫管理:KマートはPOSシステムを採用しているが各々の店で管理していて中央で集中管理されていない。

そのストアーの店長がやる気があれば在庫減らしに集中したり、人気商品を把握、在庫切れを防ぐ事はできるのだが、その頼みの店長がやる気が無いため、人気商品は常に品切れ、売れない商品の在庫は山程あるという現象が起きている。

  

人気商品は常に品切れだ。売れないものはいくら安くても売れない。

 WALマートは各ストアの在庫管理をインターネットによって一括管理、データベース化し、各ストアー在庫管理者 が全米のストアーの状況を一目で確認できるようになっている、そのデータベースはペンタゴンに次ぐ規模で全世界で2番目の量 。

  各ストアーのレジはPOSによって管理、ストアーのメインコンピューターに直結、そして自動的にカテゴリー別に分けられた商品は中央集中管理コンピューターに自動的に送られ、人気商品の在庫決して切れる事はなく不人気商品で在庫が増えてくると自動的に適正価格を計算変更を行い、各ストアーにプライス変更のメールが送られてくるそうです。多分在庫を制する者は流通業界を制すると言うのは本当のよう 。

  この自動システム導入によって大幅に在庫管理が単純化され、移民者、高齢者、障害者が簡単に扱えるようになった。

 5)人気商品:Kマートでは常に的外れだ、在庫、棚での商品の売上を把握できない為、本来人気商品の一つであったマーサスチュワート商品群がないがしろにされていたなど、まったく商品の構成が出来ていない。売れない商品をいくら安く売っても人は買わない、唯一売上が良かった食料品でも人気商品となると棚はいつもがらんどうだ。 

  

もっと早くにマーサ商品に力をいれて大規模展開をすべきだったK-Mart・WAL Martに値段で勝負するものはいなくなった

WALマートでは、これといって強力な商品は持っていないものの、競合するストアーがセールスプライスを出して くるとその価格を定価にしてしまい、そのプライス変更は彼らのオンラインシステムによって一店のみでなく、 翌日には全米でセールスプライスが定価になってしまう恐ろしいシステム。つまり競合ストアーが勝負に出てくれば必ず体力勝負に持ち込まれセールスプライスの意味合いがなくなってしまうの だ。 また逆にやられてしまうのでもう誰も事実上WALマートに価格勝負を挑む事が出来なくなってしまう。これで競合ストアーの来客数を最小限に食い止めることが出来た。

 6)経営者の意識:Kマートはいいかげん極まりないまさにモラルハザードとはこの事で、会社の経営悪化時でも社長はゴルフと言うようにバブル時の日本の会社の社長そのもの 。様々なテレビインタビューはすっぽかし、しまいに重役会にも出てこないありさま。

  

インタビューはすっぽかされる・株主にいくらいっても説得力がない

WALマートは、海外展開も積極的ですでにお隣韓国では大成功を収めている、従業員一人一人が高い忠誠 心を持っている事から特別に強いリーダーシップを必要としていないようです。 それより従業員の就労環境商品に対する愛着、コミニュティーに対する貢献が強く、結果的に従業員から強い信頼を得ているよう だ。

このようにみてくると、Kマートは潰れるべくして潰れたのがよく分かる、どこの国でも潰れる理由は一緒。さて話は日本に移るがWALマートが西友を事実上買収する事で、日本の流通業界もマイカル、ダイエー倒産どころ の話しではなくなってきた。

 今日本では流通小売り業界は3グループに分けることが出来る。 1カルフールなどの外資、外国勢  2イーオングループ、イトーヨーカ堂の日本勝者勢、最後にダイエー、マイカルなどの日本敗者勢 これらはグループ内でこの数年以内に再編を要求されてくるだろう、そして5〜10年以内に最終的に日本の流通小売業は次の3社になると思う。 1) WALマートを基軸とするグループ   2) カルーフなどの別の外資外国勢 ( Safeway, Giant, Vons, etc ) 最後はイトーヨーカ堂とイオンは合併すると思う、そして日本の小売り業の最終的 な商品構成は第一グループとして、米国と同じ商品構成。 第二グループとしては米国以外の外国の商品と日本の商品の組合せ。 第三グループとして日本の商品と安価な中国製品の組合せ。

 さあーどうなるかは お楽しみ...

おわり

 

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