Rep. Journal, Sep 2005

Issued Sep 2005

備えあれば憂いなし...

まさに今回ニューオリンズで起きたハリケーンの被害とは言葉の通りである。

ハリケーンと台風は、熱帯の海で生まれ、成長して暴風雨をもたらす仕組みは同じだ。大西洋と東太平洋で発達したものがハリケーンで、北西太平洋で発達したものが台風と呼ばれる。

 ハリケーン「カトリーナ」は中心の気圧が910ヘクトパスカル前後で接近し、最大風速は一時、毎秒80メートル近くに達した。台風の強さの分類"強い""非常に強い""猛烈な"にあてはめると、"猛烈な"にあたる。気象庁の太平洋台風センターによれば、日本に上陸した台風が"猛烈な"になったことはなく、無類の強さだ。 といって、米国のハリケーンが日本の台風より強いと単純にはいえない。ハリケーンや台風の勢力は低緯度で強く、高緯度に行くにつれて弱まる。米フロリダ州の南端の緯度は北緯25度ほど。アジアなら台湾のあたりで、高緯度の日本上陸時には、台風は弱まっている。 一方、大きさを比べると、昨年日本に上陸した台風23号は、風速が毎秒15メートル以上の範囲が半径800キロ以上あったが、カトリーナはそれよりも小さめだという。

各地で強風による建物や社会基盤への被害が続出した。ニューオリンズ市内の一部地域では洪水が高さ1.5メートルから1.8メートルに達し、 場所によっては10メートルを超えた。自宅の屋根に取り残された人から、助けを求める電話が地元警察に100本以上かかったという。 ルイジアナ、ミシシッピ両州に加え、アラバマ州にも非常事態が宣言され、高速道路は内陸部に避難する住民で大渋滞となった。避難所の一つとなったプロアメリカンフットボールの屋内競技場スーパードームには約 2万人が逃げ込んだ。しかしニューオリンズ市内では停電が発生。スーパードームでも空調が止まった。

ニューオリンズを水害から守るはずであった水路の堤防は決壊した。これで一部でしかなかった洪水が全市内に広まり、水没していない地域はなくなってしまた。もともとニューオリンズは海抜ゼロメーター地帯、今回のような大きな規模のハリケーンが街を襲えば、堤防は決壊する可能性は以前から指摘されていた。

ハリケーンの去った後、被害は更に拡大していった。死者は数千から最悪1万人を超える可能性すらある。電気・水道などのインフラは壊滅。いまだ避難民に水・食料が十分に届けられず、市内各地で略奪・殺人等犯罪が横行している。

なぜここまでに被害は拡大してしまったのか?

まず今回の被害の拡大は天災と言うよりも人災であったことだ。ハリケーンがフロリダに上陸した時点で、すでにニューオリンズ市民には避難命令が出ていた、多くの人はニューオリンズから本土のアラバマ・ミシシッピーなどに避難したが、ま だ多くの人が市内にはいた。彼らは本土へは避難しなかった。警察などの当局は積極的に市民を避難をさせなかった。 ハリケーンが去った後、多くの避難民は道路の損傷の少ない西に向かったが、途中で警察に追い返された。北にある橋はすべて落ち去っていた。仕方が無くニューオリンズに戻った避難民に行くところはなかった。食料・水の支援は無く、上下水道は使い物にならず、警察や消防の姿はほとんど見られなかった。避難民達は食料や日用品を求め商店に略奪に入った。避難民同士の食料・水による喧嘩が絶えず、殺人まで発生するに至った。

ざっと状況はこうだ。しかし具体的にどのような点で人災と言えるのだろうか?ニューオリンズという、南部の貧困層に被害が出ている点。支援が遅く、不十分で、治安が確保できなかった点、州・市などの自治体の予算カット、などが挙げられる。  

今回のハリケーンでの被害は特に貧困層に続出している。それは貧困層が街から避難しなかったことが被害を拡大させている。裕福層は避難に対する車や飛行機などの交通手段があったが、貧困層では原油高騰によるガソリン高騰や交通手段の無さで街から出られなかった。市内のガソリンスタンドでは便乗値上げによって、1ガロン・$6.00を超えていたと言う。 この値段で車のタンクいっぱいに出来るのは裕福層だけだ。またこれら貧困層の住宅はハリケーン保険に入っていない。ニューオリンズ一帯はアメリカでももっともハリケーン保険が高く、貧困で加入を難しくしている実体もある。ハリケーンで被害を受け、実費で家を直すが、数年後またハリケーンで家を破壊され、貧困から脱することが出来ない。彼ら貧困層は基本的に教育が低く、他州で雇用をえることができず、ニューオリンズに世代を経てまで住み着くケースが多い。

連邦政府・州・地方自治体の支援の遅さも被害を拡大させた。ほとんどの避難先では2−3日たっても、水・食料の支援がなされなかった。ニューオリンズ市では、ダウンタウンにあるスーパードームを避難先としたが、電気・上下水道がとまり、ほとんどの避難民は外で夜を明かした。ニューオリンズの夏は蒸し暑く、東京以上に暑い。空調の無い室内には暑くていられないのだ。また支援を実現する州兵のほとんどはイラクに派兵されており、支援・復旧を支える人手が圧倒的に足りない。決壊した堤防はこれら州兵の部隊規模が小さすぎて手付かずにされたおかげで、市内の被害が拡大した。  

ブッシュ政権に対する避難も多数挙げられている。テロとの戦いはアメリカをより安全な国に変えるはずであった。それは国家予算の多くをアフガン・イラク・テロの対策に割き、それをサポートする法律も多数作った。しかしこれらは、教育・災害対策・社会整備と言う国家の基本事業をさておいてまで行われた。これらはアメリカ 人の血税を投入しながらも、自然災害という国家における基本中の基本であるものから国民を守ることが出来なかった。 またブッシュ政権では、インドネシア地震における大津波の発生では、世界一早く支援を実施したのだが、今回は結果的に海外での支援よりも遅れてしまった。

ニューオリンズの海抜ゼロメートル地帯はエンジニアー達には有名だった。 オランダ・アムステルダムにように街一帯が海抜下で、国家を挙げて街を守るような対策は採られていなかった。しかしアムステルダムにはハリケーンは来ないので、高潮の可能性も非常に低い。しかしニューオリンズは海抜下、高潮、ハリケーンと悪要素が十分にあったにもかかわらずだ、具体的な研究・対策は施されていなかった。いかに海抜下から街を守るか。年々温暖化による海面の上昇は自治体にとっては優先順位の高い問題だった。いつかは現存する水路の堤防の高さが足りずに決壊する恐れ や、高潮により街が危ういと言う指摘は内外から出ていた。しかし市の土木課の予算はイラク・テロ対策のため大幅に削減されていた。 そして実際に堤防が決壊した後も、丸3日間以上堤防の修復・補強には手が着けられていなかった。これも州兵などが海外に派兵された結果だった。

ニューオリンズの市長はラジオやテレビでの放送で、今回の支援の遅れは基本的に地域の貧困から来ていると言っていた。このような災害がもし西部や東部の裕福な街で起これば、ここまで支援が遅れることは無かっただろう、これはひとえに、貧困が底辺にあり 天災が引き金になった人災でもあると付け加えている。

今回のハリケーンでの被害総額は1000億ドル、日本円で11兆円にも上るという。これはアメリカ史上最悪の被害だ。 過去歴代最悪とも言われた、ハリケーン・アンドリューやアイヴァンよりもはるかに被害額を上回る。またニューオリンズ一帯は南米との貿易が盛んだ。コーヒー、砂糖、建材、などのほとんどはニューオリンズ港から陸揚げされている。港湾にも大きな損害が出ていて、当面これらの物資の取引は出来ない状態だ。ただでさえ世界需要による原油高が世界経済をひっ迫しているが、このハリケーンのおかげで、原油高、ガソリン高、またこれらを原材料とした製品の値段が跳ね上がるのは必死だ。アメリカの製油所はニューオリンズ一帯に多く、これら多くの製油所がダメージを受けている。IEAでは先進国に戦略石油備蓄の放出を依頼、日本でも世界放出分の12%を放出することになった。市場に備蓄石油を流し、少しでも原油価格を下げさせようという狙いがあるが、アメリカ全体では原油・ガソリンの依存度が非常に高く、価格はこのままずるずると上昇を続けるという意見がアナリスト達大半の意見だ。

今回の天災・人災はブッシュ政権・アメリカ人のエネルギー政策・温暖化・自然災害・イラク政策について根本から考え直さずにはいられない出来事のようだ。 連邦政府による支援は9・11規模の400億ドルを超える規模になるようだ。日本にも大なり小なりこの影響が及ぼされるであろう。

本編おわり。

追記1 9月10日

ハリケーン被害の支援は日に日に規模を増す中で、死者の数は予想されたものより大幅に少なくなりそうだ。当初は数千から最悪1万程度になるのではないかと言われたが、大規模な排水作業の結果、今では数百人規模で済んでいる。しかし市街地の60%以上は未だに水没したままだ。これから排水作業に伴って、遺体が収容される可能性はまだ残っている。被害者の数はもうこれ以上大きく増えそうには無いが、大統領・連邦政府・地方自治体に対する信用は反比例に日に日に落ちている。政府の支援の遅れは未だに続いていて、FEMA−連邦災害庁の現地指揮官は解任さればかりだ。政府内も未だ混乱しているようで、責任のなすりあいが政府のブリーフィングから覗ける。ブッシュ大統領は現地を既に3回も視察、ダメージコントロールに躍起になっているようだ。

毎日のように、ワシントンで決定された政府からの支援形態は時間を追うごとにころころと変わり、それを知らずにニューオリンズでは支援を求め、急遽作られた支援センターに長蛇の列が出来ている。政府と支援センターのヴォランティアー、被災者の間でいざこざが絶えないと言う。

しかしハリケーンそのものもダメージはこれ以上拡大しないが、2次災害ともいえる感染症の広がりがこれからは懸念されるところだ。仮に水が街から引いても、大腸菌などのバクテリアはすぐには死なない。今のところ被災地では深刻な感染症の広まりは無いものの、未だに水没している地域では基準値の45000倍水が汚染されていると言う。これはそこにある水を一口でも飲めば、間違いなく何かしらの感染症状が出る。また蚊を媒体とするウェストナイルも報告されている。

アメリカ史上規模最悪の被害を与えたハリケーンだが、世界からの支援や、アメリカ国内からの支援は後を絶たない。特にハリケーンが去った後にアメリカ人が募金した金額は911テロ事件、スマトラ大津波を大きく上回る金額になっている。しかし重要なのがこれら支援がきちんと被災民に届くかどうかだ。

追記2 9月14日

とうとうブッシュ大統領が連邦政府の支援・援助の遅れの責任を認めた。これは以前に増して、政府や自治体に対する遅れの責任の所在を上げる声が出ており、いずれ責任は逃れられないと判断したからであろう。これで責任問題は一着したことになる。しかしすでに次の問題が出てきそうだ、それは税金による支援・援助の問題である。FEMAでは、大規模なテロや災害に備えて各種の支援物資を全米に備蓄してきたが、それが今回のハリケーン被害では放出されていないことだ。ニューオリンズでは多くの家が水没して使い物にならず、多くの被災民が他州の被災センターで暮らしている。FEMAでは多くのプレハブ住宅・オフィスが在庫としてあるが、どうしてそれらが今回は使われていないのかという報告があがっている。これらの物資は元はと言えば国民の税金でまかなわれたものなのに、うまく活用されていない。...しかしそれには底辺で、テロ対策資金を巡っての、水面下での水増し請求や収賄などが絡んでいるようである。政府としてはほじくり返されたくない。しかしこのような大規模災害が起こるといずれは穿り返されそうな感じがある。

それらと並んで問題視されているのが、偽支援金・援助金を募る団体が横行していることだ。インターネットはもちろん、スーパーやコンヴィニエンスストアー、道端での支援金を募っている個人・団体が後を絶たない。これは911直後でも見られたが、今回は景気の悪さも手伝ってか以前より多い。正規での支援金のトータルが多いと言うことは、偽の団体・個人に取られた支援金も多いと言うことになる。実際アメリカ赤十字では2百万ドル以上がハリーケーン支援のために既に集まっている。不正に掠め取られた金額はこれを超える金額であるようである。政府としては取り締まり強化を訴えているが、これら不正団体は、ゲリラ的に現れては消えるので実際に取り締まるのは難しい。

追記3 9月20日

新たにハリケーン・リタがメキシコ湾に近ずくなか、政府・ニューオリンズ市では被災民の帰宅について、2転三転している。現時点ではハリケーン・リタの被害の見込みはまだ分からないが、もしリタがニューオリンズに近ずけば修復された堤防は再び決壊する恐れがある。ブッシュ大統領は再び被災地を訪れた、今回で5度目である。

今回のハリケーンの被災民救援では省庁間に大きな差があることがわかった。現場に一番早く急行したのは警察・軍ではなく沿岸警備隊であった。また一時被害における沿岸警備隊の救援援助数も最多で、ヘリコプター救援の数は一番多い。沿岸警備隊と言えば日本で言えば海上保安庁である。密航・密輸など海の警察機関であるが、なぜ彼らが一番機動的に救援活動が出来たのであろうか?それは指示系統の保守性・硬直性に有るようだ。軍・警察・沿岸警備隊などの指示系統はすべて縦割り式だが。軍・警察では縦割りの指揮系統でも、保守性・硬直性が強く、単独行動を取れば処罰される可能性がある。沿岸警備隊はこの点では保守性・硬直性は薄く、彼らのモットーが”行動第一”と言うように、今回の救援活動ではそれを証明した。

日本においても実はこの面は非常に重要で、神戸での地震の最、自衛隊の車両は緊急車両ではないので、信号を止まらなければならない、など人命より法規第一主義が露呈された。ニューオリンズでも神戸での出来事と全く同じような次元の組織の問題が顕になったのだ。当然装備の面では軍は、給水から全ての面で沿岸警備隊よりも重装備で支援救援活動もばっちりなはずであったが、現地入りすると、何をするにも上官の許可が必要で、実際出来たのは街の中をうろうろしていただけだったようだ。テロにおいても自然災害のおいても、市民が大規模に被災するのは一緒である、この組織間・指令系統の保守性・硬直性がこれから大きくクローズアップされそうである。

追記4 9月23日

ついにハリケーン・リタがテキサス沖に接近、今夜半から明日早朝に上陸をしそうだ。そして懸念されていたニューオリンズの堤防は既に幾つかが崩壊して、街にまた水が流れ込んでいるという未確認の情報も流れ出した。テキサスでは、ヒューストンをはじめ沿岸地帯の都市から多くの人が、ダラスに向け避難をしたが、多くの人が高速道路での大渋滞に阻まれ道路上で一夜を明けている。大渋滞が起こったのは、多くの人が一斉に避難を開始したのと、多くの車が、ガス欠で道路上で動かなくなってしまったからだ。また折りの高温多湿な環境で、多くの車がエアコンを使用、これによりオーバーヒートを起こした模様だ。避難の最中に、バスが炎上多数死亡という情報も流れた。

しかしハリケーン・リタは当の大規模避難がなされたヒューストンをそれそうである。これによって、多くの避難が無意味であった可能性が出てくる。バスの炎上や、無意味な高速道路での渋滞などはあやふやな情報がそれらを引き起こさせたことになる。もしルートを逸れれば被害が少なくなる可能性は有るが、また無意味な避難をする必要も無かったことになる。避難民は推定で一千万人近くだ。ニューオリンズで支援にあたっていた救援隊も急遽ヒューストンに向かった。しかしニューオリンズで再び堤防が決壊すれば、何のために援助に向かったのか分からなくなってしまう。救援隊にも先が見えない上からの指示に、苛立ちと疲労感が出ているようだ。

ハリケーン・リタの接近により連邦政府と自治体は、また二転三転する情報・ハリケーンの予想進路とともに避難されそうである。これも地方分権によって情報の錯綜が起こってしまった悪いパターンである。それとともに、アメリカの気象学会・気象庁は天気予報の正確さを再度問われることになる。

追記5 9月25日

アメリカのメディアでは幾つかの興味深い事を取り上げている。

最近の度重なるハリケーンでの被害で、多くの人はPTSD、いわゆるトラウマにかかってきているという。ハリケーン・イグゾーションとも呼ばれるそうだ。これは次から次へとハリケーンの災害に見舞われ、復興に手を着けたとたん、再び破壊されいつになっても復興の兆しが現れない状態が続くと、被災民達がいわゆる極度のディプレッションにかかるという。これは日本でも大きな災害があるたびに被災民に見られる精神状態で、人間は元来として大きな災害に立ち向かえる精神力を持ちえていないからだ。このディプレッションは、自然災害だけでなくテロや戦争・大事故によっても引き起こされる。例えば、スペースシャトル爆発事故や911テロをテレビなどでライブで見た子供達の80%以上が将来を悲観的に見るような精神情緒形成ができてしまう。子供のうちから将来が悲観的になってしまうのはどう考えても良いことではない。また大人たちのディプレッションに関しては、今後経済活動に良い影響をもたらさない可能性があるともいう。

ハリケーン・カトリーナとリタは政府、自治体、関係省庁と連絡体制・支援・救援活動・避難民の誘導という課題を残した。ハリケーン・カトリーナがニューオリンズを破壊したことに関わる問題点は既に挙げられているが、新たにハリケーン・リタによって避難民の誘導の難しさを露呈した。ハリケーンの大きさは優に本州ほどあり、ハリケーンの大きさの中に入る人口が優に1000万人を超える。避難した多くの人々があても無く北を目指し、高速道路は駐車場化した。高速道路、国道沿線のガソリンスタンドのガソリンは無くなり、多くの避難民を乗せた車は故障やガス欠のため動かなくなってしまった。またファーストフードレストラン・スーパーなどの食料は底をついた。これでは避難解除がなされても、ほとんどの人が動けず、これでは避難した意味が全くない。これは国土の広いアメリカでの避難に対する典型的な失敗パターンで、国土の狭い日本ではこの規模の災害が起こると避難する場所が基本的に無いのでこのような問題は起こりにくいとされている。しかしいくらハリケーンの予想進路を予測するのは難しいとはいえ、ハリケーンが向かってくるのは予想できる。予想ができて、この混乱では予測のつかない地震等では更なる混乱が予想されてしまう。普段からの政府・自治体・関係省庁との業務連絡等横のつながりを充実させる必要がはっきりした。またハリケーンの予想進路に対する精度アップも日本 とアメリカが技術支援協力することによって、もう少し精度を高めることが出来るだろう。

テレビ・ラジオという従来からあるメディアはこのような規模の災害では情報収集するのに役立つとされていたが、以外にも多くの人がこれらに頼らずインターネットで情報を収集した。 理由はテレビ・ラジオが一方向にたいし、インターネットは双方向、情報収集にしても、より細かく地元のニーズにあったからだろう。テレビでの情報は基本的にどの番組も同じだ。アナウンサーが映像を流しているだけ、それに比べインターネットでは、何丁目のどこどこは浸水していて通行できない、ここのガソリンスタンドではガソリンのぼったくりが行われているという、生の声や細かい案内があちらこちらに出ていた。なぜ電話線や電気が寸断されていたのに、インターネットのアクセスが出来たのはわからないが、最近ではダイアルアップ、DSL、ケーブルのほかに、無線を使ったWi−Hiがある。恐らく多くのアクセスできた人々はWi−Hiによってアクセスできたのではないかと思われる。しかし今後の災害に対し、インターネットはテレビ・ラジオ以上に重要な情報ツールであることをはっきりさせた。

追記6 10月5日

ハリケーンから一ヶ月近く経つ。最近メディアでは興味深いスキャンダルのようなものを報道している。

それはニューオリンズの被災民の帰宅が思うように進んでいない、と言うのだ。しかし帰宅がうまくいっていないのは2つ理由があって。ひとつは、未だ多くが浸水していると言うこと。そして被災民が帰りたくないと言う思いがあるからだ。そしてスキャンダルな部分は両者繋がっていて、どうして未だに浸水しているかと言えば、排水作業を行っていないからだ。どうして作業を行っていないからと言えば、未だ多くの浸水している箇所はいわゆるスラムで、ニューオリンズ市が意図的に作業を遅らせ、スラムを一掃しようとしているという。都市再生に対し連邦政府から多額の援助金が出るが、街にスラムがあると魅力ある都市再生はできない。このカトリーナを使って、スラムを一掃し、スラムに住む被災民を他州に移り住ま わせよう、と言う憶測。

また被災民が帰宅しても具体的な生活支援を受けられる可能性は少ない。被災民を受け入れた各州では住宅のほか、仕事の斡旋もした。かれら被災民はニューオリンズではスラムに住み、仕事は無かった。このような状況から避難した先で生活の基礎を作りつつある被災民はまたニューオリンズに戻りたくないようだ、とも報告している。しかし懸念として、これら被災民を受け入れた州では、支援金は赤十字など民間からの支援がほとんどで、いずれ資金は枯渇してしまう。そのとき州がどのような対応を迫られるか懸念が出ている。

おわり

 

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