Rep. Journal, Jan 2005

Issued Jan 2005

先日インターネットカフェで、日本のネット新聞をチェックしていたところ、とうとう文部科学省は学習指導要領を改定するというのだ。いわゆる、ゆとり教育の見直しだ。これはOECDなどの複数の国際学力比較調査で日本の小中高生の学力が明らかに低下したことを受けてという。

一方隣の国、韓国では、小中高生5%にエリート教育を実施するのだという。これは、2010年から年次的にすべての小中高生の5%(約40万人)にエリート教育を意味する優越性(Excellency)教育が、また、そのうちの上位1%(約8万人)には英才教育 を行ない、優秀な人材を円滑に養成できない現在の平準化教育を補完するためだ。このため、小学校3年生以上や中高校の全学年で教師の評価およびテストを土台に優秀な生徒5%が優越性教育対象者に選ばれ、小中高校は数学、英語をレベル別に段階化し、優越教育対象者には上級レベルの教育を行なう。優越性教育対象者を早期進級、早期卒業させる制度が05年には高校、06年には中学校、07年には小学校まで導入され 、これとともに優秀な高校生が高校時代に大学で大学科目の単位を予め取得し、これを大学の単位と認められるAP(Advanced Placement)課程も06年に導入する。英才教育は各学校が上位1%内で英才を選抜し、大学、教育庁といった外部機関に設けられた英才教育院や校内英才クラスなどで指導することになる。

日本では 学力の低下に伴い、小中高生による犯罪も目に増して増えている。同級生の首をカッターで落としたりと、今までの犯罪には無かったようなパターンが出はじめているのだ。大の大人が子供を怖がるようになっている。世間では、これはすべて学力の低下が引き起こしているということが定説になっている。 またインターネットが普及しだしてからこうなったと言う人もいる。果たしてこの、ゆとり教育やインターネット、はたまた技術革新が元凶なのだろうか?

アメリカでは最近”エコーブーマー”と呼ばれる言葉がメディアに頻繁に現れるようになった。これは1982年から1995の間に生まれた世代のことで、彼等の両親は1960年代生まれの若い親達だ。日本で言う団塊世代より1世代若い世代で、日本で問題を起こしている若い世代の親達と一緒ということだ。アメリカでは、このエコーブーマーが8千万人程いて、既にアメリカ社会に対し大きな影響を与えている。また重要なことだが、彼らが次世代のアメリカを担っていくと言うことだ。

エコーブーマー達は生まれ時から、コンピューター、携帯電話、ケーブル・衛星テレビが家にあった。彼らは他の世代とは違い、これらの先端技術の使い方を習って育ってきたわけではなく、日常生活でそれらを使いこなしながら育っている世代だ。彼らは携帯電話で話をしながらインターネットで音楽をダウンロードしたりする、いわゆるマルチタスカーだ。彼らより古い世代では、同時に 1つ以上のことをすることを美徳としない世代で、よく彼らはやるならひとつのことをしなさい、といってきた世代だし言われてきた世代だ。日本でもこの若い世代そうで、携帯電話をしながらテレビゲームをしたり、他の人と話をする器用な世代だ。

しかしアメリカではこのエコーブーマー達はプログラムされた世代ともいわれている。というのは、彼らは日常生活をプログラムされ、それをこなすのがうまいと言うことだ。月曜はスイミング、火曜はクラリネット、水曜はピアノ、木曜は野球と言う風に、彼等の行動はすべて親によってプログラムされている。彼等の世代は大人がこうしなさいと言わないと行動できない。彼等の世代の大きな特徴は、プログラムを忠実にこなすことがうまく、それが同時に物事をこなすことがうまくできるとことにつながっているようだ。またこの世代は、他人と協調することが比較的得意で、いわゆる団塊世代のように、自分勝手で、社会体制に反対したり、デモを起こして暴れたり、物を破壊したりする世代ではない。それはこの世代は、情報ソースを世界中に複数もっていることによって、多様化した判断力があるからだ。また彼等の世代の大きな特徴は、彼等の世代間における犯罪率、、学校中退率、喫煙率、妊娠率が戦後世代で一番低いと言うことだろう。おそらくここが、日本の同世代と比較したとき大きく違う点だろう。

ゆとり教育は本来、必要最低限の義務教育内容を教え、余った時間を社会活動などを校内、家庭を通じて増やし、人間に必要な情操教育をしようというもので、これは70−80年代に学校が荒れたことを受けて年々教育時間を減らしていこうというものだった。わかりやすく言えば、本来親がこの余った時間を子供にプログラム化するはず であった。アメリカのように、習い事や様々な社会経験をさせるべきだったが、日本では、親達が塾まかせ、あとはテレビゲームに没頭というある意味放任主義が横行してきた。アメリカのこの世代の特徴に大きな違いがあるとすれば、子供に対する接し方だろう。アメリカでは悪く言えば、子供にプログラム詰め込み型であるのに対し、日本では、子供は、黙っても育つと言う変な放任主義型 ということだろう。

様々な文献、文化・教育・家庭の比較論、様々なリサーチからみても、ゆとり教育そのものだけが悪いだけではないようだ。結局は、我々が教育失敗のつけを誰かのせいに転嫁しているだけなのだ。エリート教育、ゆとり教育は、名称なだけで、結論から言えば親が子供に対しどう接するかが一番の問題で、いままでこの詰め込みを学校に任せていたが、学校が家庭にその役割をバトンタッチしたとたん、おかしくなって学校教育に責任転嫁しているだけだのようだ。

学校現場、家庭、政治が一体になって”ゆとり教育”改定というプログラムをどう子供達に対応させるか、もう一度世界の状況を踏まえた上で討議する必要があるのではないだろうか。


特別年始レポート

今回は04年の年末・年始はメキシコ、メキシコといってもアメリカから10分ほどの国境の街ティファナにドンちゃん騒ぎに行ったのでその模様も紹介しておこう。

以前からサンディエゴなど比較的国境に近いアメリカの街では、高校生がメキシコに越境し酒を飲んでアメリカに帰ってきて逮捕されるというニュースが年末になるとたびたび放送されていた。これはアメリカの各州では飲酒できる年齢が21歳以上なのに対しメキシコでは18歳から飲酒ができるため、メキシコで合法に酒を飲み、アルコールが血中に残っていなければいいのだが、残っていた場合、アメリカに入国したとたん、州警察に質問・チェックされ、その後逮捕ということになる。アメリカのイミグレーションの係員は、飲酒による逮捕権はないので、入国の際、若い子で飲酒をしていると思われる人には、”外に警察がいるけど、メキシコに今引き返せば、逮捕されないよ!”などというやり取りがあるという。

実際に年末・年始に国境の街はどうなっているのか突撃レポートをしてみた。

  

ここはアメリカ側徒歩で最終引き返せるポイント。大晦日は雨で寒く徒歩で越境するアメリカ人はまばら。ほとんどの人はメキシコ人らしき人達で、正月を家族と過ごそうとしている人たちだ。自動車で越境するレーンは混んでいる、ほとんどのナンバーはカリフォルニアナンバーだ。

暗くてわかりにくいが、駐車場沿いに高い壁がある。ポツン・ポツンとある街灯の向こう側はメキシコ。

これが、メキシコ側にある入国の有名な”バターン・バターンドアー”回転式だが、ひとり通るごとにバターン・バターンとすごい音がする。この先で後悔しても、もうアメリカには戻れない。

メキシコ、ティファナに到着。国境から歩けば20−30分というのは知っていたが、方向がわからず、いやいやながらタクシーに乗った。USDで5ドル。まあわけのわからないところに連れて行かれるよりはましだろう... しかし、ここは雰囲気がやばい。路地に入ったら襲われそうな雰囲気だ。写真もろくに取れない。撮っていると、外国人と思われ強盗にあうからだ。アメリカのスラム的なヤバサは大丈夫だがこの雰囲気はアメリカの物とは違って怖い。恐怖感の種類は違うが、このような恐怖感は、東ドイツ・ 東ベルリン以来だ。 街がどうなっているのか歩いていると、とにかく警察が多い。しかしここティファナの警察は、汚職警官が大多数で、観光客はおこずかい稼ぎにいちゃもんをつけてたかられるという。しかし歩いていると、やっぱり予想通り、パトカーに止められた。最初はスペイン語で何か聞いていたが、こっちが英語でスペイン語は話せないというと、どこから来たのか?何しにきた?、など英語で聞いてくる。IDチェックなどで、アメリカから来たのがわかると、”今日は危なくなるから気をつけろ”と無罪放免。たぶんここで、ヨーロッパやアジアなど北米以外から来ているのがわかると、いちゃもんをつけて金を取るのだろう。

  

ようやく街の構造がわかったところで目当てのレボルシオン通りにあるクラブに到着。まだ時間が早かったのかタダで入れてくれた。普段はUSDで10ドルらしい。しかしあまりに音楽がうるさいのと、緊張が少し緩んだので、お腹がヘッタ。そこで 一回出て同じ通リ沿いにあるKFCへ。しかしやはり年末、家族でチキンを食べようとしているのか、ものすごく混んでいた。USダラーは使えたが、アメリカより安い感じはない。やはり考えていることは同じなのだろうか、一般のメキシコ人に加えアメリカ人が多かった。どのアメリカ人も恐怖感を少し味わったのだろうか、ここでは、ほっとしたようで、疲れが顔に出ていた連中が多かった。

クラブに再び戻ったときには行列が出来ていた、さっきの入り口のにーちゃんがすぐにまたタダで入れてくれた。金払ってないんですけどー。中はすでにドンちゃん騒ぎに。ABCニュースのドキュメンタリーでやっていたのと同じだ。 多くの若い子達がじょうごで飲まされている。ほとんどの客は18−25歳くらいでアメリカ人がほとんど。バーテンダーが、年が明けたらすぐにアメリカ側に戻ったほうがいいよという。遅くなればなるほど荒れてくるらしい。またメキシコでは年明けに銃を撃つやつが多いらしく、結構怪我するやつが多いのというのだ。 クラブの2階のベランダから下を見ると確かにやばそうな(ギャング)連中でいっぱいだ。ドンちゃん騒ぎも11時半がピークで、カウントダウンが始まりニューイヤーが始まると皆、花火をやり始めた、外ではロケット花火や爆竹にまぎれて銃声も多数。ぽつ・ぽつと客が引き始めたので、アメリカに帰ることにした。

  

行きはタクシーに乗ったが、帰りは歩き。クラブのネーちゃんに道を聞いておいたので比較的簡単に道はわかった。まあ昼なら安心だが、夜中にやばいところで道を探すほど怖い物はない。 しかしメキシコは野良犬がいっぱい。なにか食べながら歩いていたらギャングに襲われるより、野良犬に襲われそうだ。

国境沿いにある川の端からの写真。一見平穏そうに見えるが、銃声がすごい。反対側のアメリカ側はひっそりしている。

歩いているとようやく国境のゲートが見えてきた。普段はアメリカに入国するのに2時間以上かかる。

  

左側の写真が本当の国境。メキシコとアメリカの間は15メーターほどの砂地が延々と続いている。逆にカナダとの国境は、木を切ったスペースがやはり延々と続いている。アメリカ入国は時間がかかると思っていたが、徒歩の方が入国はスムーズだ。車だと入国を待っている際も、物売りが多いが。徒歩の方は何もない。入国審査のブースでも特別に何も聞かれなかった。アメリカ入国はトータルで5分といったところだ。しかしティファナからアメリカの国境までは直線距離では1キロもないのだが、道がくねくねと迂回されているのでやはり30分はかかった。アメリカ側に立ったとたん、メキシコとの貧富の差が顕著であることを再確認。 ゲートの外にあるマクドナルドのショップを見て疲れがどーっと出てきた。メキシコの国境の街・ティファナもアメリカ経済に支えられている。あのようなクラブや風俗店、レストランもUSダラーで支えられている。しかし規制の厳しいアメリカではクラブでのあのようなドンちゃん騒ぎは決してお目にかかれない。さて2005年も平穏であってほしいものだ。

おわり

 

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