Rep Journal , December 2003

Issued,  Dec 2003

2003年12月13日2030分バグダッド現地時間で恐らく今年の10代ニュースに入るような出来事が起きた。ブッシュ政権念願のサダム・フセイン拘束である。

フセインは2メーターほどの穴に隠れていたところを、米軍急襲部隊によって確保・拘束された。23年に及ぶ事実上のイラク、フセイン政権の崩壊である。

フセインは、クウェート侵攻による湾岸戦争、度重なる米英連合軍によるバグダッド爆撃、米英スペシャルフォースによる暗殺の実施、国連による経済封鎖にもかかわらず、23年間政権を維持、世界中の不安定要素のひとつ、世界三大悪態国家のひとつに挙げられてきた。

フセインは、イラク・アクバ付近の廃墟の穴の中で発見され, 発見時はAK47自動小銃2丁、ピストル1丁、USドルで75万ドルを所持していた。携帯電話・衛星電話など外部との連絡手段は一切持っていなかったという。穴の中は数日間そこにいたらしく、多少の生活した感はあったらしい。

しかし米軍では、2ヶ月前ほどからフセインの足取りについてある程度把握していた感がある。フセイン確保の発表の場では、数週間前からイラク・アクバ周辺で通信のやり取りがあるのを把握していた、という。しかし実際確保してみると、かつては一国の主、世界中を震撼させた男とは思えない状況だ。数多くの米英軍及び協力国に対する襲撃を影で指揮してきたと思われてきたが、実際それはなさそうである。

フセインが確保されることによって、いくつかの疑問も出てきた、それは1)通信手段を一切持っていなかったこと 2)75万ドル程度の現金死か持っていなかったこと 3)護衛等の勢力の存在が無かったこと。などだ。これらの疑問はすべて関連している、現金を大して持っていなかったことは、多大な護衛が当然必要にない、また護衛を必要としないなら通信手段を持つ必要もない。これらはすべて、トレールを残すので、一人で穴の中に隠れていれば見つからないであろうと考えていたのだろう。米軍が数週間前から通信をインターセプトとしているが、これはフセイン残党勢力が時々食事などをこの穴に運びこんでいたのをインターセプトをしたという。では今イラクで行われているゲリラによる連合軍に対する攻撃は誰が指揮をしているのだろうか?可能性があるのは、アルカイダ・テロ集団、アルカイダWant-to-be,  フセイン政権第二の男イザートだろう。もしかするとこのイザート、サダムに反旗をひるがいした可能性すらある。実質、軍を直接掌握していたのはこの男であり、大体第二の地位というのは最高地位に憧れるものだ、フセインから現金を奪取、軍事力を確保し、足手まといのサダムを見放し、米英軍への攻撃を現金を使って影から操っている可能性が見えてきた。この手の話、よくあることだ。

まあどういうことであれ、これらはもう少し時間がたてば、明らかになることだろう。それより国家元首の拘束によって、実質対イラク戦争が終結したことになる。これからは主力は、イラクの国家復活、テロ残党勢力の排除に力が注がれていくのだろう。

やはりいつの時代でも、独裁政権とは維持できないものだ。そこにはさまざまな国際状況、パワーバランスなどいくつもの方程式のバランスの中で存在できていたようだが、21世紀に入って状況は明らかに変わってきた。ヒットラー、ムッソリーニ、共産ソ連、東欧共産国家、ムロシェビッチ、毛沢東、チャゥチェスク、フセインなどの独裁国家、国民を苦しめてきた国家は必ず滅びる。

先日北朝鮮をめぐる6者会議で米朝が年内の協議を延期したということがあったが、意図的にアメリカが会議を延ばした感すらある。キム・ジョンイルにフセインの末期をを見せつけてから、会議で優位な立場に持っていこうというのである。ブッシュ大統領が、感謝祭の休日でバグダッドを隠密で訪れたのも、実はこうした裏での行動がすべて裏打ちされたものであるのだろう。

ところで気になるのは、このフセインの扱いをめぐるものだ。米国ではイラク人による裁判にかけるのが最もよい方法であるとしているが、実際どうなるかはっきりしない。最も米国として避けなければならないのが、国連の関与による裁判である。ミロシェビッチはNATO軍によって身柄を確保されたが、ハーグの国際刑事裁判所での例を見てもわかるように、10年近くたっても一向に進歩がない状況は絶対に避けたい。しかし米国が直接関与すれば、アラブ諸国の反発を招くし、それよりも、独仏露との亀裂がますます顕著になる。ただでさえ、イラクの復興を巡って欧州対アングロは目に見えてはっきりしてきたのに。

今後ありえる、イラン・北朝鮮を巡っての覇権争いを巡って世界はますます、多極化した社会になりそうだ。まさに新冷戦構造の始まりのようでもある。世界は米国を中心とするアングロ連合、独仏連合、露中連合の3軸に分かれそうだ。日本、韓国、カナダ、などはっきりした立場を表明できないでいる国家はますます弱い立場におかれてしまいそうだ。

大きな歴史の流れから考えると今は、旧冷戦機構と新冷戦機構の間での中間 処理をしているようだ。しっかりしたポリシーを国家として打ち上げられない日本は本当にこれでいいのか?

おわり

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