Rep Journal #2, August 2003

Issued,  Aug 2003

日本では、都道府県における知事選挙はたいがいが任期によるものか、女性問題等によるスキャンダルで起こる。地方自治体の行政の失策による選挙はほとんど見受けられない。カリフォルニアではここ数週間前から、 現知事のリコール運動が高まっていた、しかしついに7月23日にリコール推進派が集めた160万票の署名のうち、130万票が有効であるとしてイコールが成立。80日以内にリコール選挙を実施すると州務長官が発表した。

米国の各州は刑法や商法など、連邦政府からの独立性が極めて高い自治権を持ち、州知事は連邦上院および下院議員とは比較にならないぐらい権限を持っている。しかし今回の州知事リコールは米国歴史上で実施は2回目というぐらいの異例な事態だ。

カリフォルニア州経済は世界で5位程度の力がある。これは、米、日、独、仏、に次ぐ強さで、イギリスやイタリアより大きい経済規模を持つ。過去に31回もリコールの署名活動が行なわれたが、いずれも規定署名数に達せずに実現はしなかった。初のリコール選挙と言う事と、カリフォルニアの持つ経済力及び全米最大有権者数を有する事で、今後の大統領選にもかなりの影響が出てきそうだ。

そもそもどうしてリコールに至ったかと言えば、州経済は世界5位程度もあるのに4兆円を超える財政赤字になってしまったことだ。これは数年前に州内で起こった、電力不足事情による多額の州費を電力を調達するために使われたこと。その赤字分を埋めるため、州政府はさまざまなところで穴埋めをすべく、州立大学での大幅な値上げ、自動車登録料の大幅な値上げなど、数年前に一般の人たちが電力不足で悩ませられた挙げ句、今回もまた大幅な一般市民への負担で、ほとんどの人はあきれ返っていた。それに米国経済は第二次大戦後初の不景気になっているうえではたまらない。電力不足の張本人のエンロンは倒産して、元経営者は、今牢獄にいるのでは誰に怒りをぶつけていいのやら状態。結局政策判断を誤った 現知事のグレー・デービスに向けられたのだ。ここで一つ理解しなければならないのが、政策を失敗した時の有権者の行動にある。日本では政策を失敗してもまず認めず、リコールに行き着くのは、女性が理解しやすい、女性問題が絡んだスキャンダル時だけだ、それ以外ではよっぽどでない限りリーコールは起きない。大阪ノック元知事や青森の元知事が良い例だ。今回のグレーデービスのリコールははっきり言って、ちょっとかわいそうでもある。あの電力事情の時にチョイスが他にあっただろうか?実際全米でもっとも裕福な有権者をもつカリフォルニアでは、自動車の登録をあげるのがもっとも手っ取り早いのは理解できる。アジア経済がどん底である以上、州経済をこれ以上貿易によって引っ張るのは無理だし... とにかくカリフォルニアンは新しい物好きで、物事の我慢ができない...

リコールは確実になったが、だれが出馬するのかが焦点になっていた。それは俳優のシュワルツネッガーが出馬するか否かに かかっていたからだ。しかしこの出馬は単に俳優が出るから大騒ぎなだけではなく、現副知事、共和党からも多数出馬するなど、もうめちゃくちゃ状態。 最終で158人が出馬するようだ。喜んでいるのは最近暗い話ばかりなので、Mediaと一般の人だけだ。リコール運動を始めて推進してきたダレル・アイサ下院議員もアーノルドが出ると決まると泣きながら辞退を表明、上院議員のダイアン・ファインシュタインも辞退を表した。

このままでは最速で10月7日が投票日と言う事になる。今まで危惧されていた現知事によるリコールを妨害する政策はすべて失敗。州最高裁もこのリコールに一切の介入をしないと言明。現知事はアーノルドの出馬によってほとんど見込みがなくなった。現実にほとんどの有権者はアーノルドの出馬を支持しており、投票になれば現知事はおろか、もしジョージブッシュが出馬しても危ういとされている。

日本でも有名人による選挙出馬はカリフォルニアのようによく話題になる。個人的にはこれもありだろうと思う。ただ出馬する候補の質にかなりよるが。ノックみたいのはどうしょうもない。”大阪府”の恥であるだけでなく、あの顔自体かなり国恥である。アーノルド・シュワルツネッガーは、俳優時代から政治にかなり興味があったらしく、様々な基金を設立とくにInner Cityにおける子供たちの教育にはかなり熱が入っていた。

ではもし、アーノルドが選出されその後順調だった場合、大統領選にまで話が進むのだろうか?州知事から大統領にまで上り詰めた人は沢山いる、カリフォルニアからではあの俳優出身のロナルド・レーガン元大統領が挙げられるし、最近ではクリントン大統領だ。しかし大統領になりうる前提条件の一つに”アメリカ生まれ”というのがあるので、残念ながらアーノルドは大統領にはなれない。しかし外国生まれで閣僚にまで上り詰めた外国生まれのアメリカ人は沢山いる。 昔ではキッシンジャー元国務長官、最近ではパウエル国務長官がそうだ。

結論を言えば電力問題がここまで大きな話に発展したわけだが、日本、 特に首都圏では東京電力の大失態により電力不足になっている。アメリカにいるこの身では、今いったいどうなったのか分からないが、数ヶ月前に日本に行ったときは電力不足指数を示すニュースが天気予報で放送されていた。首都圏の自治体が電力を買い上げているのではないので、カリフォルニアとまったく同じ事が起こることはないだろう。しかし原発の問題隠蔽を見過ごしてきた国会議員とくに担当閣僚はどのような責任を取った、若しくは取るのだろうか?日本においては大人がなぜ責任の所在と責任をとれないのだろうか?これが未だに不景気から脱出できない一番の理由かもしれない。

 

おわり

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