Rep Journal, February 2003

Issued,  Feb 2003

(開戦直前号?)

9-11後の世の中は、まったくもって不便になった。とくにアメリカでの生活においては何かとSecurityといわんばかりに、チェックに次ぐチェックだ。とくに空港でのチェックは厳しく、飛行機に乗る際には靴まで脱いで、しまいには靴下まで脱がされる始末だ。3−4年前にこんな事があればすぐに人権、人種問題になっているところだ。ところが当のアメリカ人たちはSecurityが厳しくなった事で余計に安全になった、と本質を欠いたことを言っている。Securityに余計に税金を使う事で、生活が更に厳しくなったり、経済が停滞してきている。港湾施設での貨物の入国管理では更に、余計に核物質を検知できる施設を新たに建設、そのコストは1施設につき10億円を超えるという。空港でも今まで、チェックが甘かった チェックイン荷物をさらにヘリカルスキャナーと呼ばれる、CTスキャンの高級版でチェックをすることになった。空港の各カウンター脇には1台1億円を超えるスキャナーが設置されている。これで空港使用料が倍になった。しかしながらこれらのコストは空港使用料ではまかなえるはずがない、なんせアメリカには民間空港が1000近くもあるのだから。のこりはすべて税金という事になる。しかしそれは彼らアメリカ人だけが払うものではなく、いずれ日本人である我々にも相当な負担を強いられる事になるのだ。

最近のアメリカの行動には疑問を描く国々も多い。日本もはっきり言ってその中の一国であろう。北朝鮮問題を控え、口には出さないがどうしたらいいのかわからないでいる。北朝鮮問題、憲法第9条、アメリカ輸出依存型経済がゆえにどうしたらいいのかわからないでいる。アメリカはアメリカでどんどこ単独行動主義に出ている。今の世の中、冷戦時より、より民間人が様々な犠牲になる可能性が高いという。本来戦地の前線で活動をしている、兵士の方が危険と隣りあわせだったのだが、先進国では、いわゆる内地の方が危険にさらされている。いつテロの犠牲になるかわからないでいる。イスラエルのように、いつDiscoやBarが爆弾の被害に遭うとも解からない時代になりつつある。イスラエルではイスラエル人とアラブ人では人間の価値に5−8倍あるのだという。これはイスラエルの経済力から算出されたものだが、これはもしアラブ人が1人が爆弾などで数人ずつイスラエル人を殺傷していくといずれイスラエルの経済は破綻してしまうのだという。しかしこれがこれから行なわれる戦争の報復という形で現れてくる現実かもしれない。でももしこれが先進国の人種すべてに向けたものにでもなったら...東の大親分ソ連がいた頃の方がよっぽど安全だった?

94年の北朝鮮核疑惑時のように、叩けるうちに叩かないとこっちがより不利な状況になりかねない、というのもごもっともである。しかし今のアメリカはいわゆる国際世論を無視している。国連の機能もあまり果たしていない危ない状況になりつつある。アメリカが安全保障理事会をどんどこ・ばんばか無視していくといずれ大国になるであろう、中国やインドに悪い前例を作ってしまう事になる。もし中国が尖閣諸島をめぐって行動を起こしたとき、以前アメリカは安保理を無視してやった、だから中国もそうする、ということを平気で言うようになってしまう。

フランスやドイツはイラクの件に関しては自国にかなりのアラブ人口を抱えるため、かなりイラク攻撃には慎重だ。なにせ物理的な証拠がイラクから上がっていない以上、攻撃する大義名分がない。アメリカはイラクは過去に大量破壊兵器を使ったから、もし持っていれば必ず使う、もっていなくてもやりそうだから叩く、開発しそうだから叩く、サダムが気に入らないから叩く、軍事備蓄放出だから叩く、石油がほしいから叩く、こうである。

先週ミュンヘンでのNATO外相会議ではドイツのフィシャー外相と米国国防省ラムズフェルドとの間でちょっとした言い合いになった。言い合いと言ってもフィシャーの一方的なまくし立てにラムズフェルドは、ぽカーンと口をあけて聴いている以外になすすべが無かった。”あんたらのやっている事はまったく理解できない、理解できないから安保理があるのに、それを無視するとは自分がバカであると思ってしまうぐらいに理解できない、フィシャー独外相” 翌週ラムズフェルドは、まったく”Disgraceな同盟関係”と欧州対米国は深刻なくらい溝が出来てしまった。

国連が機能していない事、安保理のメンバー特に、米国の同盟国フランスと米国が対立している事、英国以外目だったバックアップが得られていない事などアメリカの単独主義は”新帝国主義”との批判も出ている。アメリカは思ったかどうかは解からないが、北朝鮮とイラクの順序が逆なら、と思っているに違いない。潜在的には北朝鮮の方がよっぽど危険で、もしイラクが周辺国で核及び化学兵器を使おうが、まわりは砂漠だらけなのでそれほど被害は出ないが、もし北朝鮮がこれらを使ったら、日本韓国のどこに向けてミサイルを発射したところ、ストライクだ。何処に撃っても、被害甚大。北朝鮮攻撃に関しては、韓国以外の国際世論は簡単にOKを出すに違いない。なにせ、北朝鮮の対外資本はロシア・中国・イタリアぐらいしかなく、後者2国に関しては、自動車工場や幾つかの資本しかなく目立った対外損失が出ない。イラクは石油以外に、ロシア・フランス・ドイツといった欧州の資本が相当に入っていて、戦争開戦と共にこれらの資本はすべてパーになってしまうので、欧州は怒るのも当然だ。

今、 日本は日本で、北朝鮮問題に躍起になっている。そしてイラク問題に関してはのらりくらりしているが、実際内閣も困り果てているに違いない。(先週、日本に2週間ほど出張だったので、日本の雰囲気はわかっている) 北朝鮮攻撃が先なら、日本は何かと支援は出来るかもしれない。なぜなら日本も確実に報復などの被害が出ているであろうから。 しかしイラクでは根拠が無く国際世論も割れている以上、またもし北朝鮮有事に本当に日米安保発動があるのかどうか、判らない以上、あぶない橋は渡りたくない。でも対米支援をしておかなければ、北朝鮮有事の際の同盟関係は危ういし、だまっていても戦後の支援分の相当分を強要させられるし、日本の立場は北朝鮮問題がある故に、複雑になっている。

日本はイラク問題はアメリカに任して、北朝鮮問題に集中すべきだろう。実際、もし北朝鮮問題で日本が先制攻撃をしてもそれほどの国際世論の反発は出ないだろう。出ても、それこそアメリカがバックアップしてくれるはずだ。イラクと違って、グレーではなく、完全にクロであるのは、拉致問題、核武装問題、ミサイル問題など誰が見ても明らかだ。いきなり軍事行動をしなくても、北朝鮮に対し相当の経済的圧力をかけることは、経済大国である日本の最大の武器である。また悪の3枢軸である北朝鮮を相手に具体的な行動を起こせば、アメリカは対イラク戦に参加を求めてこないはずだし、悪の枢軸と戦う日本を世界にアピールするにはもってこいだ。アラブ諸国からしてみれば北朝鮮は北朝鮮で、アラブ国家ではないので、対アラブ諸国に対しても日本のイメージは悪くならない。イラクのグレーと違って、北朝鮮は本当の悪玉ぶりは国際世論では実証済み。日本以外具体的な被害国が出ていないだけで、もしアメリカが麻薬などの輸出国となったら、だまってはいない。 先週の石破防衛庁長官の発言で、先制自衛攻撃の定義が国会で出たが、目だった反発が無かったのは、状況がそれだけ反映している証拠だろう。

今は対米追随よりも独・仏の様に独自外交を展開して、より日本にメリットのある行動を執る時期だ。

おわり

 Bobbie's Rep. Journal    Tomi Craft   TC Blog   Tomi Craft Japan Twitter   Tomi Craft USA Twitter